中耳炎の治療

中耳炎の治療は、耳鼻咽喉科に通院して行ないます。耳鼻咽喉科では、医師が、まず鼓膜やその周辺を視診(肉眼による診察)することによって直ちに中耳炎の発症を判断することができ、特別の検査は必要としません。ただし、抗生物質を使用する可能性がある場合は、使用する抗生物質を決定するために細菌の培養検査をすることがあります。また、難聴を起こしていないか確認するために、聴力検査を行なう場合もあります。

中耳炎の治療では、ほとんどの場合、自然治癒を促すために、体の免疫機能を損なわないよう安静にしていることが求められます。中耳炎を引き起こす細菌やウイルスは、ほとんどが2、3日で活動を抑えられ、症状が改善するからです。したがって、投薬も、激痛や高発熱の場合の対症療法として鎮痛剤・解熱剤が処方されるだけで、原因菌を殺す抗生物質やウイルスに対するワクチンなどは投与されませんが、大半の中耳炎患者(急性中耳炎)は数日で全快します。

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中耳炎の痛みや発熱が3日以上続いた場合は、抗生物質(ペニシリン系)が投与されます。また、ペニシリン系の抗生物質が効かない場合に限り、別の種類の抗生物質が投与されますが、いずれにせよ、抗生物質の投与で症状はほどなく改善します。ただし、抗生物質の効果が不十分なとき、あるいは、痛みと熱が収まっても滲出性中耳炎(分泌液や膿が中耳腔内に溜まる病気)に移行した場合は、さらに抗生物質の投与を続けなければなりません。そして、分泌物が中耳腔内に溜まる症状がさらに進行した場合は、鼓膜の破損や内耳への感染を防ぐため、鼓膜を切開して中に溜まった分泌物を吸引し、さらに抗生物質を投与する処置がとられます。

なお、切開した鼓膜は、中耳炎の症状が治まるとともに自然治癒し、聴力に悪影響を与えることは通常ありません。一方、急性中耳炎から慢性中耳炎へと進行した場合(炎症の悪化で鼓膜に穴が開き、耳垂れが出る状態)は、症状を放置したことにより鼓膜の自然治癒がむずかしくなります。この場合は、本格的な手術が必要です。

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