突発性難聴の治療
突発性難聴は、原因不明の難病ですから、治療方法も確立していません。それでも、毎年数万人がこの病気で病院を訪れており、耳鼻咽喉科の専門医によるさまざまな治療が試みられています。
突発性難聴の治療法で比較的に効果を発揮しているものとして、ステロイド剤の投与があります。ステロイド剤は、感染症に対して炎症を鎮静化する効果があり、これが一定の治療効果を発揮するところから、突発性軟調の原因をウイルス感染とする説が有力視されています。また、内耳の毛細血管の血流が妨げられるために発症するという説も有力視され、血流を促進するための血流改善剤・代謝促進剤を投与する治療や高圧酸素療法なども行なわれています。
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メニエール病との症状の類似から治療が試みられている場合もあります。メニエール病は、1861年にフランス人医師P.メニエールによって学会に報告された古典的な疾患ですが、いまだに病気のメカニズムの十分な解明と確実な治療法が見つかっていない難病であり、厚生労働省の「特定疾患」に指定されています。その症状は、難聴と耳鳴りが起こり、同時にぐるぐると回るような激しいめまいに襲われて、その症状が数十分から数時間も続きます。突発性難聴では、メニエール病のような耳鳴りや激しいめまいが起こることはあまりないようですが、同じ内耳の器官に起こる異状が原因と思われることから、メニエール病の治療に使われているステロイド剤や利尿剤が投与されています。
ただし、このような治療も完治するのは患者の3分の1程度に過ぎません。しかも、一度完治しても再発するケースが少なからず見受けられます。それでも、効果を期待してこれらの治療を受ける場合は、発症から2週間以内に治療を開始しなければならないとされています。もし突発性難聴が起きたときは、病院での早めの診察が必要です。
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