出産予定日より遅れて出産
出産予定日を迎えてもお産が始まらず出産が遅れることを出産予定日超過といいますが、妊娠41週6日までの出産は「正期産」と呼ばれ、正常な出産とされています。妊娠42週以後の出産が「過期産」と呼ばれ、体重4,000g以上の巨大児が生まれるなど、母子ともに危険な出産となる可能性が高まるとされています。ただし、出産予定日超過の出産のほとんどは正期産で占められていて、過期産はほんのわずかしかありません。過期産の場合でも、帝王切開を行なう例は全体の4分の1程度であり、巨大児はきわめて少なく、たとえ巨大児であっても普通に出産し、母子ともに健康という例が珍しくありません。
このように過期産になると難産、死産、障害を持つ子供が生まれるなどのリスクが高まると言われていても、現実にそうなる確率はさほど高くはないと言ってよいでしょう。また、出産予定日超過であっても、特にその前半の妊娠40週の出産は、まったく正常な出産といえます。
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しかし、そのことが分かっていても、出産予定日を過ぎた妊婦の気持ちは、不安に駆られてしまうようです。産婦人科に入院している妊婦からは、出産予定日が近づくと、陣痛の兆候が現れないことを心配する質問が、よく担当医に寄せられるそうです。出産予定日を過ぎると、ほんとうに自然陣痛を待っていていいのか、やはり陣痛促進剤を使うのか、何か異常があるのでは、といった質問が多く聞かれるようになるようです。また、妊婦からだけでなく、家族からも不安の声が聞かれるようになり、産婦人科医は出産を早めるため陣痛促進剤使用の決断を迫られると言います。
産婦人科医としては、陣痛促進剤の使用にもリスクが伴うので、過期産になるぎりぎりまで自然分娩を待ちたいというのが本音のようです。早く出産したいという妊婦の気持ち。陣痛促進剤の使用はできるだけ先延ばしにしたいという医師の本音。どちらも安全な出産を考えてのことなのですが。
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