野鳥を見て愛らしいと感じる心を、日本人は古くからもっていたようです。自然の美しい景観のことを「花鳥風月」と呼び習わし、それを愛でて歌や詩に詠むことが風流とされてきました。

名にし負はば いざ言問はん都鳥 我が思ふ人はありやなしやと

この歌は「伊勢物語」にある在原業平の有名な一首です。業平が関東に下った折りのこと、隅田川の渡しで白い都鳥が舞う景色を目にし、都に残した女性のことをなつかしく思って詠んだといわれています。 都鳥とは、ユリカモメのことだそうです。現在の隅田川や東京湾でユリカモメを見ても、あまり風流だとは感じませんが、確かに白と黒のコントラストも鮮やかな美しい野鳥です。いにしえの日本人は、その美しさに出会えた感動を一本の筆に託し、三十一文字のなかに書き留めたのでした。

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野鳥を愛でる日本の心


現代のわたしたちには、筆に代わるものとして、デジカメという便利な道具があります。美しい、愛らしいと感じた野鳥の姿を、文字や絵で描くよりも手軽に、生き生きとした写真として写し取れます。風流と映った野鳥の景色も、撮る人の感性によって、1枚の写真で巧みに表現することが可能です。
しかも、デジカメをパソコンに接続すれば、オリジナル写真で野鳥ライブラリーを作ることもかんたん。いつでも、パソコンモニターやテレビ画面で色鮮やかな野鳥の画像がたのしめます。さらに、お気に入りの野鳥の写真をプリントアウトして、フォトスタンドや小さな額縁に入れたら、素敵なインテリアのできあがりです。お部屋にたくさん飾ると、大好きな野鳥や自然の風景に囲まれた愉しいリビング空間が誕生します。

21世紀の今、いにしえ人たちの愛した野鳥の風景は、この日本列島から減ってしまいました。野鳥のなかには、人間が保護しなければ絶滅してしまいそうな種も数多くあります。しかし、幸いなことに、バードウォッチングや野鳥の写真撮影を趣味とする人が増え、野鳥を保護しようとする気運が広く定着してきました。そしてその底流には、野鳥を愛でる古来よりの日本の心が息づいているように思われます。

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