バードウォッチングを始めよう〜野鳥のニューフェイス〜


野鳥の世界にも、いわゆる外来種の野生化という現象が進行しています。これまで、動物ではブラックバスやタイワンザル、ヌートリアなどの野生化が話題になり、もっとも最近ではフランス料理の食材であるカタツムリの一種が大量発生したとニュースになっていました。野鳥の世界も例外ではなく、インコの野生化が着々と進行しているようです。

問題のインコは、ワカケホンセイインコという名前です。体長が約40cmにもなる大型のインコで、羽の色が緑色をして美しく、ペットとして飼われていたものが野生化したようです。本来の生息地は、アジアからアフリカにかけてのかなり広い範囲にわたっており、すでにヨーロッパやアメリカでも野生化し定着しているとのこと。多様な気候風土に順応しやすい、相当にタフな鳥のようです。

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かつてブームにさえなったカナリヤや、現在も人気のセキセイインコなど、ペットとして飼われていた鳥たちは、カゴから逃げ出しても孤独に1羽だけで生きていくのが普通です。しかし、ワカケホンセイインコは、東京・名古屋・大阪の三大都市圏でたくさんの群れが確認されているそうです。もうすでに、日本国内で繁殖を重ねて増えていることは明らかです。


もっとも多く生息しているのは、東京だそうです。都内には神宮の森や代々木公園、東京都自然教育園など、高い樹木の茂った広大な森がたくさんありますから。目黒区にある東工大の大岡山キャンパスのそのひとつです。群れのことを記録している東工大の研究室によれば、大岡山でワカケホンセイインコを観察し始めたのは1965年だそうです。高度経済成長期の60年代から野生化がすでに始まっていたわけですから、今やワカケホンセイインコは"日本の野鳥"としての地位を不動のものとしたと言ってもよさそうです。

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