バードウォッチングを始めよう〜野鳥は人間が好き?〜

野鳥たちにとっては、今や、かつてない安全な時代を迎えているのではないでしょうか。世界中を見渡せば、地域によって状況は様々かもしれませんが、少なくともこの日本列島では、野鳥たちがのびのびと安心して暮らしているように感じられます。その理由としては、動物愛護の思想が普及したこと、人々の生活が豊かになり、野生動物の保護にも感心がもてるようになったことなど、いろいろと考えられますが。

数十年前、筆者が田舎に住んでいた小学生のころの思い出ですが、稲を刈り取った後の田んぼにカスミ網を仕掛け、落穂をついばんでいた数え切れないほどのスズメを一網打尽にした光景を目にしたことがあります。網を仕掛けた人が、掛かったスズメを次々と始末し、素早く袋の中に投げこんでいました。スズメは農村部では昔から害鳥とされて捕獲が認められてきたようですが、その人はスズメを食料として売りさばくために捕獲していたことは間違いないと思います。

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現在、このようなスズメの需要は、食料事情と人々の食生活の変化から、かなり減っていると思います。また、子供たちの遊びも時代とともに変化し、ゴムのパチンコでスズメを狙うなんていう遊びはお父さんの世代までで、最近はもう聞いたことも見たこともありません。このような人間社会の変化のおかげで、少なくとも都市部に限って言えば、野鳥たちは人間をハンターとは見ていないようです。本能的な警戒の行動を見せはしますが、むしろ、えさを与えてくれることを期待する方が増えているようです。


そういう人間からのえさを期待する野鳥は、広場にいるハトや遊覧船にくっついてくるカモメばかりではありません。去年、大阪湾の岸壁で人の足元にやって来ては、人の顔を下からじっと見上げてえさをねだるというスズメの写真を見ました。それも、相手を選ばずです。大阪には、クルマのそばや人の前にやってきて、やはりじっとしてえさをねだるタヌキやヌートリアの群れがいるそうですが、ついに警戒心の強いスズメまでと驚いてしまいました。

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