バードウォッチングを始めよう〜野鳥の写真撮影のタブー〜
野鳥を写真に撮ることは、けっして悪いことではありません。しかし、野鳥撮影・バードウォッチングには守るべきマナーやルールがあることを知っておくべきです。マナーやルールに則って撮影してこそ、野鳥撮影が健全な趣味となります。反対にそれを守れない撮影者は、単なる自然破壊者となってしまいます。
まず、第一に、野鳥の自然な繁殖行動を妨げてはいけません。野鳥が巣で卵を抱いているときや、巣にヒナがいて親鳥が子育てをしている場合です。つい良い写真が撮りたくて巣に近づき過ぎたりすると、卵を抱いている親鳥にとっては、危険を感じるとともに、大きなストレスの原因になってしまいます。そのストレスが原因で、親鳥が卵を放置したまま巣を捨ててしまうことが珍しくありません。ヒナのためにせっせとえさを運び続けている親鳥にしても同様です。本能的なヒナへの愛情も、人間によって与えられたストレスから正常に機能しなくなってしまうのか、結局、子育てを放棄してしまうことがあります。繁殖中の野鳥に対しては、遠くから静かに見守るようにバードウォッチングし、撮影してください。
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次に、写真撮影・バードウォッチングのために野鳥の生活環境を勝手に変えてしまってはいけません。身勝手な野鳥写真家の中には、絵になる写真を撮ろうとして、もともとそこにはなかった木や石を巣のまわりに置いて撮影する人がいるそうです。もう自然な野鳥写真ではなくなってしまいます。さらに悪質な場合は、木の枝葉を取り除いたり、草むらを踏みつけたりして、巣が良く見えるようにする人さえいるとのこと。それでは、天敵の猛禽類やカラスからも一目瞭然で、狙われてしまいます。
現在、これまでの野鳥保護につながらない無秩序な野鳥撮影に対する反省から、出版社や各種団体が主催する野鳥写真のコンテストにおいては、営巣写真を審査対象としないケースが増えているそうです。プロ・アマを問わず、マナーやルールに則った写真撮影を心がけたいものです。
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ディアゴスティーニの『週刊野鳥の世界』は、バードウォッチングや野鳥を楽しむための情報を、美しく、躍動感あふれる写真やイラストとともに紹介するマガジンシリーズです。野鳥の生態や行動、習性、見分け方、観察できる場所を丁寧に解説するほか、写真撮影の方法、絵の描き方、バードカービングのつくり方など、野鳥に関する楽しみ方も満載。すぐに役立つ野鳥データファイルです。
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