子供のわがままの原因としつけ
子供のわがままの原因としつけ
子供のわがままは、その性格が原因ではなく、親のしつけの問題と捉えるべきです。本来、子供が自己主張をするようになることは、知能の発達がもたらした当然の結果として喜ぶべきことです。しかし、その自己主張にいささか偏執的と言えるほど強いこだわりを持ち、自己中心的で周囲との協調性に欠け、「わがままな子」とか「言うことを聞かない子」と見られるようになるのは、子供の成長に誰よりも責任を持たなければならない親のしつけ方に問題があるはずです。また、それは誰よりも子供にとって不幸なことです。
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●子供に欲求不満と不安感を醸成しない接し方
乳幼児が親に甘えるのは、本能的な行為です。しかし、幼児期になって知能が発達し、自分の意志をもって行動するようになると、親は子供の行動を制限したり、願いを拒絶したりしなければならない場合が増えてきます。そして、子供は、甘えてお願いしても親が必ずしも思い通りにしてくれないことに欲求不満を感じるようになります。また、甘えても親に受け入れてもらえない状況に戸惑い、不安感を募らせます。このようなときの親の対応は、子供をしつける上でとても重要です。
子供のしつけにとって親子の信頼関係が必要不可欠の基本条件であることは、これまでにも述べてきました。基本的に、子供のしつけは、親子の信頼関係の上に立って子供に親の行為を真似させることから始まります。子供は、大好きな親がすることを真似ることでしつけられてゆくものです。ところが、子供が甘えて何かをお願いしたとき、親が「ダメ!」と叱りつけるように拒絶したとしたら、子供の信頼は一気に揺らぎます。不安に駆られた子供は、きっとまた甘えるでしょうが、再び強く拒絶され、そのようなことが繰り返されれば、子供は心を閉ざしたり、親に対して反発を感じるようになることでしょう。子供は、言うことを聞かない子になってしまいます。
子供のしつけでは、単純な拒絶や叱りつけるような態度は危険です。甘えてきた子供に失望感を与えないよう、どうしてダメなのか、どうした方が良いのか、やさしく教えてあげましょう。理屈で理解させるのではなく、親のやさしい思いが子供に通じるように何度でも教えてあげましょう。そうすることで、子供は親の愛情をはっきりと確かめることができ、素直に言うことを聞いてくれて、そうすることが楽しくてたまらなくなるはずです。そして、親子の信頼はさらに深まります。
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