子供の食事のしつけ
子供の食事のしつけは、いわゆるテーブルマナーの教育と言い換えることができます。日本でも欧米でも、食事のマナーは昔から大切なものと考えられ、子供の頃からとても厳しくしつける習わしがあったようです。ただし、封建社会の時代には、それは支配階級や裕福な階層の家庭に限られたものであったようですが、近代になって市民社会が発展するとともに、一般庶民の家庭でも食事のしつけは当たり前のこととなりました。
日本では食事のマナーが悪いと、よく「お里が知れる」と非難され、「親の顔が見たい」などと悪口を言われて軽蔑されるのが普通でした。食事のしつけがなっていないばかりに、子供が人前で恥ずかしい思いをしたり、つまらない不利益をこうむったりすることのないように、親としてはちゃんとした食事習慣を身に付けさせてあげたいものです。
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子供の食事のしつけについて、いくつかの問題点を紹介しましょう。まず、箸の持ち方の問題です。箸が普通に綺麗に持てないと、一般に、“育ちが悪い”と見なされてしまいます。ことさら厳密に神経質になる必要はありませんが、昔からの長い時の流れの中で磨かれてきた合理的な握り方ですから、これが出来ないと見苦しいだけでなく、食べ物をよくこぼしてしまうことになります。大体、2歳半から3歳過ぎくらいの間に、子供用のスプーンやフォークを親指・中指・人差指の3本で上手に握れるようになったら、箸を使って食べる訓練を始めましょう。普通、4歳ころには箸が上手に使えるようになります。もし5歳を過ぎても上手に使えないときや、握り箸など悪い持ち方している場合は、ていねいに教えて直してあげましょう。
次に、離乳食の時期に手づかみで食べさせてもよいのかという問題です。離乳食は、早い子では生後5ヶ月から始めますが、離乳食を始める目安は、赤ちゃんが食卓にある食べ物に関心を示して手を伸ばすようになったときだと言われています。食欲をもって自分で食べ物を手にしようとする行動は、成長のためにとても重要です。テーブルの上や床の方までこぼして汚れてしまいますが、親としてはそれを我慢し、赤ちゃんの食欲を尊重して、自由に食べさせてあげましょう。意外なことに、離乳食を手づかみで食べさせていた子供は、フォークや箸で食べるようになっても、器の中のものを綺麗に食べることができるようになるそうです。
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